恵比寿の某パスタ屋でペペロンチーノを食べた。悪くはなかったのだが、絶望的にシンプルなこの料理を美味く食させるのは至難の業だ。
個人的にこの料理には相当な思い入れがあって、20年近く作り続けてようやく理想の味に近づけることができ始めたと思っている。
コツの一つは、パスタをゆでるお湯に入れる塩の塩味以外には一切塩を使わないことだ。
他にもたくさんコツはあるが、とにかくシンプルの極みを信条としていて、唯一の具といえるニンニクには味を付けない方法を取っている。出来上がりの味が足りない場合はゆで汁の塩味を使うのだ。こうすることでニンニク本来の風味をそこなうことがなくなる。
今回行ったお店のニンニクは風味が少なくてしょっぱかった。ニンニクを炒めるときに塩を使っているのだろう。そのかわりパスタの塩味が少し足りないのだ。数あるメニューをさばく必要のあるお店ではよくあることだが、濃い味のソースの場合とペペロンチーノの場合で同じゆで方をしているってことだ。
だから、ニンニクとパスタが一緒に口に入れば塩味レベルは妥当なんだけど、パスタだけを口に入れたときは味が足りなくなってしまう。それを解消する目的か、使っているニンニクの量がハンパなく多い。食べ終わりにニンニクが余るほどに。結局のところニンニクの塩味ばかりが際立ってしまっていて、全体の統一感がなくなってしまっている。
さて、ここから無理やりマジックの話につなげる訳だが。
でも、マジックにおいても同じようなことがいえて、素材自体は大切に扱ったほうがよい。マジックにおける素材というと原理だったり技法が想像できるけど、それよりもプロット、つまり現象として何を見せたいのかといったコアの部分だと思う。
原理も現象もまったくの新しいものだったらとにかく自由にやればいいと思うけど、そんな作品はまず作れない。特に古くからあるマジックで、とりあえずやり方は分かった程度でここの部分を見誤ると、取って付けたようなつじつまの合わない演出なんかをしてしまう。結果的に、見ていて訳の分からない演技になってしまっているようなことはよくやってしまう。
マジックを演出するときにも、ニンニクの風味を活かしたパスタを食べさせたいのか、塩味の効いたニンニクを使った何かを食べさせたいのかというようなことを、はっきりと把握しておきたいものだ。
ガイ・リッチー監督のシャーロック・ホームズを観た。
ホームズがアイアンマンのロバート・ダウニーJr.でワトソンがジュード・ロウであり、しかもアクションシーン満載という、往年のホームズファンにとっては想像できかねるコンセプトらしい。
原作をきっちりと読んでいない自分にとっては先入観がまったくなく、ロバート・ダウニーJr.の配役も違和感なく観れたのはよかったかもしれない。
個人的には大いに楽しませていただいたのだが、マジシャン的視点でいうとクライマックスの謎解きがあっさりし過ぎているのと、トリックに意外性がなくちょっぴり消化不良。驚きの要素もなかったし。
マジックの話をすると、傑作とされるマジックのタネというのは意外なほど単純なことが往々にしてあるけれど、マジックの場合はタネの部分は見せずに現象のみを見せることを目的としているからそれでいいのだ。
でも、こういった謎解きを見せる推理ものの場合はタネというかトリックの部分に意外性を持たせることも重要な気がする。ガイ・リッチーならではの意外なシャーロック・ホームズ像を創り上げることだけに集中しちゃったのかなという感じ。
一番惹かれたのはホームズの衣装と19世紀末ロンドンの再現性の高さ。いや、19世紀のロンドンはこの目で見たことないが、大半がCGで作成されているであろう映像であったとしても、活気にあふれ、かつデンジャラスな雰囲気満載の映像は素晴らしかった。
先にも書いたとおりマジシャンには、というか推理ものとしては少し物足りないかもしれないけど、アクションヒーロー映画としてはおすすめ。

シャーロック・ホームズ Blu-ray&DVDセット(初回限定生産)

先日、出演者であり友人でもある五十川三宣さんからお誘いを受けて『Moon War ……月は黄色か、白、黒か……』という演劇を観てきた。
テーマが『人種』というあつかいの難しいもので、脚本や演出にも苦労されただろうなあと思いながら観ていた。
ただ、内容としては歌あり踊りあり笑いありと、十分エンターテイメントとして楽しめるものだったし、俳優の熱演に感動する場面もあった。
それから、前回も演出面のことで感じたことなんだけど、映像的手法を使っていて面白いなあと思った。具体的には、二つのシーンを同時進行させたり、現実の”本人”を演じる役者と”内面”を演じる役者が同時に舞台上にいるような場面がいくつか見られた。
映像の世界ではクロスフェードとかいうけど、演劇のことは詳しくないのでよくある手法なのかどうかわからないんだけど。
なんとかマジックの演出のヒントにならないかな、とか思ったり。
いやあ、しかしイソップ(五十川)、ホントにうまい。真っ青なマントとシルクハットというありえない衣装だったけど、それが妙に似合っていた。
次回作はエンターテイメント色を押し出すというようなことを言われていたのでそれにも期待。
友人の応援なのでどうしてもひいき目になってしまうけど、がんばっている人は応援したいので、よろしければ演劇配合サプリメンツのWebサイトをチェックしてみてください。
▼演劇配合サプリメンツ

マジックをやらない一般の方はスルーの方向で。
マジックの道具をオンラインで探すのに便利なカスタム検索ページを作りました。
オンラインのマジックショップを横断的に検索できるので、一つひとつのショップに行って検索して回らなくて済みます。
ご利用はこちら↓
▼マジックショップ横断検索
※右上のサイドバーに設置した検索窓からも可能です。

例えば、「新聞紙」などの素材をキーワードに検索。

または、現象で検索。これは「浮遊」で検索した場合。

道具の説明文に書いてあるだろうことを予測して「コイン 手 貫通」など複数の単語で検索することももちろんできますよ。

「トミー・ワンダー tommy wonder」などマジシャン名で検索すればそのマジシャンの関連商品がヒットします。

普通にググった場合と違って、マジックショップ以外の検索結果が表示されないだけでもずいぶん便利かと思います。
また、ショップに設置されている検索機能よりもGoogleエンジンのほうが優秀なので、あいまいなキーワードになればなるほどヒットする可能性が高いのも強みかと。
当ブログの右上にも検索窓を設置したので、そちらからご利用いただくことも可能です。
そのうち海外のオンラインショップ専用のカスタム検索を作ってもいいかも、とか思ったり。
▼マジックショップ横断検索

先のエントリーのとおり、六本木にあるSoul Bar Virtusでマジックをしてきました。
最後の夜ともあり、たくさんのお客さまでにぎわっている中でのマジックでしたよ。
DJプレイやソウルシンガーのライブもあって個人的にも楽しんできちゃいました。もちろんマジックも、やってる自分も楽しかったしお客さまにも楽しんでいただけたのではないかと。
そのときの様子を動画にしてみたので、よろしければ御覧ください。(トリックは収録していません。雰囲気のみです。)
- Virtus Last Night -
次回の動画はライブでのマジックをしっかり収めたものを作りたいですね。
最近の暑さというか湿気でトランプがことごとく使い物にならなくなる今日この頃ですが、7/30(金)に六本木の『Soul Bar Virtus』でマジックをやることになりました。
このVirtusは60年代〜70年代の雰囲気を現代に蘇らせたようなお店でホントにお気に入りの場所のひとつだったんですが、残念なことにこの7月でクローズとなるとのことです。(地階のVirtus 2は残すとのことでひとまず安心。)
そのことを知ったのが先日たまたまミーティングでお店を使わせていただいたときで、マネージャーの三蔵さんからクローズすると聞かされドびっくり!?30日にさよならパーティをやるということで急遽そこでパフォーマンスすることが決まりました。
六本木お近くのかた、お時間のあるかたは古き良き香りを残すソウルミュージックとマジックのコラボレーションを楽しみに、ぜひとも遊びに来てくださいませ。
〜 Soul Bar Virtus さよなら感謝祭 〜
◆場所:Soul Bar Virtus
◆日時:2010年7月30日 金曜日 20:00 – Midnight
◆料金:3,000円 90分フリードリンク
http://virtus.deep-village.com/
住所:〒106-0032 東京都港区六本木4-6-4
TEL:03-5410-6155
地図はこちら
誕生日に友人からプレゼントでいただいたカード。
調べてみたところフランスのGRIMAUD社で開催されたトランプ大賞の1973年受賞作だそうで、Genevieve Lirolaという方がデザインしたカードだ。作られてから30年以上経っている、自分よりも年上のカードのようだ。
既にGRIMAUD社自体が無いらしく絶版品とのことで、コレクションとしてはかなり価値のあるカードをいただいたことになる。とてもありがたい。
GRAND PRIX GRIMAUD 1973

フランスのカードはみんなそうなんだろうか、キングが「R」クイーンが「D」ジャックが「V」と表記されている。それにしてもジョーカーが可愛らしい。
さすがに30年以上経っているからかくすんだ色合いになっているけど、それがまたビンテージらしさを醸し出していていい感じだ。上の画像もスキャンしたまま色調補正もせずにアップロードしてもの。
カードケースの印刷にもくすみが出てきているため、日光や湿気にさらすのも気が引ける。普段は乾燥剤と共にコレクションボックスの中でお休みになっていただくことになりそうだ。
魔法の書といっても実際にはDVDだが、CoinOneのHomer Liwagからコインマジックの第2弾『CoinTwo』が届いた。内容的にはいわゆるコインズ・アクロスなんだけど、とにかく編集がカッコよく、魅せる映像となっている。
観客から見たインパクトはおそらくCoinOneのほうが上だろうと感じたが、こちらのほうが演出の幅は広いと思う。DVDでは一切のセリフなしで、ある程度のテキストが表示されるだけだが、実際に一般の観客の前で演じるならば、セリフを入れてゆったりと演じるのもいいのではないだろうか。
難易度はCoinOneに引き続き、絶望的に難しいテクニックを使っているわけではなく、ある程度練習すれば手順を追うことはできるだろう。
公式のショップ・サイトではSOLD OUTとなっているが、パッケージのプリントミスなどがある、いわゆるアウトレット品が少数残っているようだ。それでも構わないから欲しいという人のために以下のリンクが用意されている。
▼Still want a copy C2?
※リンクの存在は2010年4月30日現在で確認していますが、いつまであるかはわかりません。問い合わせなどはHomer Liwagへ直接どうぞ。
- Cointwo Extended Trailer HQ -
イスラエル製の『JACOB’S BIBLE CARDS』というトランプを買ってみた。
何がBible(聖書)なのかというと、絵札に描かれている人物がすべて旧約聖書に登場する人物であるということだ。『Jacob』は、イスラエルの民の祖先となったヤコブのことだ。
その人は言った。「あなたの名は、もうヤコブとは呼ばれない。イスラエルだ。あなたは神と戦い、人と戦って、勝ったからだ。」
- 創世記 32章28節 -
紙の質感は、エンボス加工が一切ないためBICYCLEのそれとは大きく違う。それから、裏の模様に天地があることもありマジック向きではない。元々コレクションの意味合いで買っているから関係ないけど。
インデックスは四隅すべてに配置されている。
JACOB’S BIBLE CARDS

- ハートのK・・・・ソロモン (Solomon) – 第二サムエル記 12章24節
- ダイヤのK・・・・ダビデ (David) – 第二サムエル記 12章24節
- スペードのK・・・サウル (Saul) – 第一サムエル記 9章2節
- クラブのK・・・・アハシュエロス (Ahasuerus) – エズラ記 4章6節
- ハートのQ・・・・シバ/シェバの女王 (Queen of Sheba) – 第一列王記 10章1節
- ダイヤのQ・・・・バト・シェバ/バテ・シェバ (Bath-Sheba) / 第二サムエル記 12章24節
- スペードのQ・・・ユディト (Judith) – 旧約聖書 外典/続編 ユディト記 8章1節
- クラブのQ・・・・エステル (Esther) – エステル記 2章7節
- ハートのJ・・・・アブサロム (Absalom) – 第二サムエル記 3章3節
- ダイヤのJ・・・・ヨアブ (Joab) – 第一サムエル記 26章6節
- スペードのJ・・・ヨナタン (Jonathan) – 第一サムエル記 13章16節
- クラブのJ・・・・ハルボナ (Harbona) – エステル記 7章9節